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五月病企画これでおわりニャ「天を地を」

五月病企画、ついに最終回です。

今回も、一気にいくところまで行ったら、

勝手に力尽きて終わりますので、よろしくお願いします。

(ヨコシマより、タテジマのほうが好き。深く考えずに読み進んでニャ)

始めていらっしゃった方。

こちらにえめるのお部屋の入り口があります。

ちょっとだけのぞいてみてニャ。

可愛い猫がいると思うニャ。

お話のモクジ君もいます。

 

序 

 天を地を縦横無尽に、彼はやってくるのだろうか。

そして彼女は、 その激しい抱擁に身を任せ、

現実と混沌の狭間で、

骨も折れそうなほどの抱擁の中で、

彼を知ることになるのだろうか。

その鬼畜のような欲望の渦を、愛と勘違いしたままで。

 

夏香は、夜空を見上げて願った。 

「また、彼に会えますように……」

あのたくさんの星のどれかに、ヤウルは住んでいる。

もう一度、ヤウルに会いたい。

もう一度、彼の胸に抱きしめられたい。

夏香は、あの夏の記憶をたどって目を閉じた。

 

 * 

私、夏香。七月生まれの高校二年生。

引っ越してきたばかりで、

夏休みなのに遊ぶ友達がいなかった私は、

午後になると、よく一人で小さな海辺に出かけていった

 

その日も、水着の上に大き目のシャツを羽織り、

自転車にまたがった。

すそを海風にはためかせながら、大通りを曲がると、

その先が狭くて真っ直ぐな坂道になっていた。

 

その道に入ると、ハンドルをグッと握りなおした。

これからノーブレーキで、死にそうなほどの疾走感を味わうの。

前かごの中でバスタオルたちが飛び出しそう。

スピードが上がって、自転車がガタガタ揺れだして、

麦茶の入った水筒が、ジャボジャボ音を立てる。

怖いんだけど、でも、もうこのままどうなってもいいやって、

そんな気になる瞬間がたまらない。 

今度こそダメかと思った時、タイヤが砂を噛んで止まった。

 

家から十分ほどのその場所は

大きな海水浴場からだいぶ離れていて、

近くに店もないので、観光客が来るような場所ではなかった。

近所の子供達も、今どき危険な海で泳ぐよりより、

きれいなプールで、スピードを競っているほうがいいのだろう。

 

そこは小さな入り江になっていて、狭い浜辺を回り込むと、

洞窟のような岩場の影に入れる。

足元に気をつけながら、ごつごつした岩の一段高いところに座った。

ひんやりした空気が、汗ばんだ肌を乾かしてくれた。

丸くあいた岩窓のような穴から見た海は、

周囲の雑多な景色を消し去って南海の景色を想像させた。

奥のほうは暗くてよく見えなかったけど、

天井に穴があいた周辺は、意外と明るくて、

少しだけど、薄桃色の花も咲いている。

砂浜が真っ白に光って見えた。

そこにいると、別世界に入り込んだような気分になれる。

私はその場所を「妖精の入り江」と

勝手に名前をつけて呼んでいた。

 

麦茶を用意して、読みかけの本、「悲しみよこんにちは」を開いた。

一年前の夏、ママが私にくれたの。

ママは二ヶ月前、交通事故で死んでしまった。

ねえママ。うちのパパは、ママが思っているほど、

モテやしないよ。安心してね。

何度も読み返して、手垢がついたり

表紙が折れていたりするけど、これは私の宝物なの。

  

本を閉じて岩の上に置き、シャツを脱いだ。

引っ越してきてから買った、水玉のビキニ。

なぜこんなの買っちゃったんだろう。

黒地に白の水玉は、いいとしても、

フリルが多いくせに隠す部分がやたらと小さいのだ。

ちゃんと試着して買えばよかった。

でも、一人なら平気だもん。

  

入り江の海は小さくて浅い。

少し泳ぎたかったので、その先まで進んだ。

入り江を過ぎると急に深くなっていたけど、

泳ぎには自身がある。

遠くに行かないように気をつけながら、しばらく泳いでいるうちに、

ふと、このまま海に沈んじゃおうかな、なんて考えた。

別に、ママの後を追ってとかじゃないけど、

つまらない毎日に飽き飽きしていただけ。

  

その時、洞窟の窓に、何かがちらついたように見えた。

始めは気のせいかと思ったけど、

今度は明らかに人の頭が見えた。

泥棒!?

本は盗まないだろうけど、着替えを盗まれたら大変だ。

こんな格好のまま、大通りを自転車で走るなんて、

私にはとても出来ない。

 

砂浜には、私の小さな足跡のほかには、

それらしい跡はついてないようだった。

他にどこか降りる場所があったんだろうか。

 恐るおそる中を覗き込んでみたけど、

目がくらんで何も見えなかった。 

目が慣れるまで、暫らくそのまま待ってみたけど、

誰の気配も感じない。

とりあえず大丈夫かと思い、

荷物を取りに入った。

 

本は、置いたままの状態で岩の上に載っていた。

でも、きちんとたたんだはずの服が、バラバラになっている。

下着が見つからなかった。

とにかくシャツとジーンズは無事だったので、

ぬれた水着を脱いでシャツを羽織った。

思わず声がでた。「あの変態め~」

 

「変態とは、なんだ?」

どこからか声がした。

身の危険を感じて、あわててジーンズをはこうとしたけど、

足がもつれたように上手くはけない。

「どうしたのだ。慌てているな」

泥棒にしてはヘンな事を言うなと思った。

それに、やけに落ち着き払った声だ。

気が付くと、目の前に、変な服の男が立っていた。

その手には、私のブラとパンティーがぶら下がっていた。

「どっ、泥棒ぉ」

その男のいでたちに驚いた私は、声がかすれた。

 

真夏だというのに、銀色に光る着物のような服。

長髪は茶色で、それは許せるけど、どうしてそこまで拡がってるの?

しかも、長い竿のようなものを背負っていた。

でも、物干し竿なんかじゃないことは確かだ。

その先端に、矢じりのようなものが光っている。

まるで伝統芸能の舞台衣装みたいだ。よく知らないけど。

 

「あ、あんた、誰よ……」

「拙者はヤウルだ。これは、そちの物か?」

「……そち?そ、そうよっ、私のよ。返して!」

「道理で、小さいと思った」

「ななな、なんですって?!」

「これは私には小さいと申したのだ」

「……へ、変態!」

ヤウルと名乗る男は、いきなり後ろを振り向き、

竿をぶんと構えた。

私の鼻先で刃がひらめき、私はしりもちを付いた。

「うん? 誰も居らぬようだが」

そういって竿を背中に戻し、こっちに向かって歩いてくる。

何かされるっ!

「立てるか」

そういって手を差し出してきた。

 

その時の私の気持ちを、何ていったらいいんだろう。

夢でも見ていたとしか思えない。

王子様が私を迎えに来たんだといったら、

皆は笑うだろうか。

私は、ヤウルの手をとった。

気が付いたときには、彼に横抱きにされていたのだ。

いわゆるお姫様抱っこというやつで。

私はシンデレラにでもなったような気持ちのまま、

彼の顔を見つめた。

しっかりと私の目を見てくる強い視線に、どきどきした。

薄い唇が、何かを言いたそうに動いた。

「なぁに?」

「下に何もはいていないが、寒くはないのか」

 

返事は多分「〇×☆△※◆」

読んでくれてありがとう。長くてごめんニャ。

会話が始まったら、勢いづいてしまったニャ。

始めと終りで雰囲気がかなり変わってしまいましたが、

私の中では繋がっているから許してね。?

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五月病企画第6弾「マゼンダのルージュ」

えめるの五月病企画も、残すところあと二回です。

もう少しの辛抱だから、お付き合いくださいね。

だからお前の自己満足はいらないのっ!というかた。

ごめんなさい。他のとこ読んでみますか?

始めてきてくださった方。

えめるのお部屋、ここから始まります。

ちょっとだけのぞいてみてね。

 

 マゼンダのルージュで鮮血をかき混ぜながら、

ジルがその花のような微笑を崩すことはなかった。

「あら、震えているわよ。いらっしゃい、私の可愛い人。

ほら……

ジルは手に持った銀の容器に、

寝台から流れ落ちる血液を受けながら、笑っていた。

 

「美味しそう……」

遠いところから聞こえてくるそれは、僕の声だった。

銀の器に、誰かの手が伸びる。

僕の意識は、厚いガラスに阻まれて、

まるで外側の体と、内側にいる自分が、

切り離されているようだった。

自分の手が、器を受け取る。

いやだ! やめろ!

ガラスに向かって必死で叫んだ。

 

身体が、その飲み物を激しく欲しがっている。

厚いガラスの向こうから、その感覚だけが鮮明に伝わってきた。

 

一体どうしたって言うんだ。

自分の身に、一体なにが起こってるんだ。

さっきまで一緒だった皆は、どこに行ってしまったんだ。

部屋中、さびた鉄のにおいがしているはずだが、

そういう感覚は、こちら側には届かないらしい。

 

焦点の合わないわずかな視野と、ジルと名乗る女の言葉。

何者かに乗っ取られでもしたような自分の体から発せられる、

ある種の感情のようなもの。

それだけが、外からの刺激だった。

僕はただ、意識の存在となって外側を見ていた。

 

器が近づき、途端にはげしい飢えに襲われた。

それは感じたというよりも、

巨大なうねりのような波が、ガラスの防壁を一気に打ち砕き、

あっという間に僕の全てが、

その怒涛の波に飲み込まれてしまったのだ。

 

僕の体が、そのおどろおどろしい液体を

一気に飲み干すのが見えた。

ちっぽけな意識の存在となって辛うじて浮かんでいた僕は、

いきなりやってきた新たな流れに巻かれ、抗うこともできずにいた。

意識がほぐれるように溶け出し、やがて渾然一体となって、

その渦は何時しか、静かな湖へと姿を変えていた。

  

 「そう、それでいいのよ。もう大丈夫。少し寝なさい」

その言葉を合図に、

僕は、深い水の底へと沈んでいった。

 

晴れた空の下、砂利道を上って汗ばんだ肌に、

古城の中の、ひんやりとした空気が心地よかった。

街から歩いてきたエレナは、額の汗を拭いながら、

通された部屋の入り口に立っていた。

 

普段は使われていない部屋なのだろうか。

薄暗い証明のかすかな光で、床に積もったほこりが見て取れた。

だが目の前のテーブルはきれいに磨かれているようだった。

 

「それで君は、僕からなにを聞きたいっていうの」

いきなり声をかけられて、

エレナは心臓が止まりそうなほど驚いた。

「あ、あの、私……」

「僕が吸血鬼なんじゃないか……と、思っているんでしょ?」

 若い男の声がいった。

「い、いえ。でも、町の皆が、そうかもしれないって……」

 

部屋の奥から、ゆっくりした足取りで現れた男は、

ほとんど少年といってもいいくらいの人だった。

 

「僕がここの当主の、アレクセイだ」

その優しげな微笑は、

エレナの恐怖心を打ち消すのに十分だった。

「ここに人が訪ねてくれるのは、久し振りなんだ。

歓迎するよ。もし良かったら、城の中を案内するけど、どう?」

「あの……」

「いや?」

「いやだなんて、そんな」

「じゃ、ついて来て」

そういうと彼は、エレナの横をすり抜けるようにして通り過ぎ、

先に立って歩き出した。

エレナは、数歩下がって後につきながら、

彼の足元にある影を確認した。

それから更に安心したのか、足取り軽く廊下に足音を響かせた。

 

というところまでニャ。

結構ありきたりな展開だったですニャ。

え?他のも、そうじゃないかって?

うにゃん。

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五月病企画第5弾「知らない人」

こんにちは。こっちのほうまで足を運んでくれてありがとう。

今回はまたもや五月病企画です。

5回目です。ごめんニャ。

それって何?という方のために簡単にご説明するニャね。

以前答えたバトンが楽しかったので、

それを更に拡げたくなっちゃった私が、

想像力の続く限り一気に書き綴り、

やっとこれから面白くなりそうな予感~

ってとこで、集中力を切らして終わるという、

何とも「自己満足」な更新です。

これであなたも欲求不満で

連休後の五月病に拍車がかかるコト請け合いニャ。

そんなじこまんに付き合ってられない方は、

(ひらがなでかいてみた。あっ、そこっ。今よこしまな想像したニャねっ!ゆるす。)

モクジ君のお部屋に行ってあげてね。

真面目な彼が真面目にご案内してくれると思うニャ。

はじめて来てくれたあなたは、ココからえめるのお部屋へどうぞ。

では、この下から読んでくれるという奇特なあなた。

楽しくモヤってくださいね。 

 

知らない人を見るような目つきで、僕を見るんだね。

そいつのつまらない冗談にも、

嘘の笑顔を惜しみなく与えるんだね。

やっと分かったよ。

あの時の、斜め下から見上げる貴女の切なげな表情。

僕だけのものだったのは、ほんの短い間だけ。

いや、もしかしたらそんな時間、

一瞬たりとも無かったのかも知れない……。

 

僕は、さっきまでの浮かれた気分をいきなりごみ箱に押し込まれて、

胸が苦しかった。

手に持った飲みかけのアップルタイザーを、一気に飲み干した。

炭酸がのど元に刺激を与え、僕はそれをグッと呑み込んだ。

足元の真新しい靴が目に入って、さらに惨めな気持ちになり、

僕はやりきれない気持ちで、偶然入ったその店を出た。

 

昼下がりの乾いた空気を、飢えた様に深く吸い込むと、

鼻の奥がつんとして、僕は目を閉じた。

まぶたに浮かんだのは、彼女の顔じゃなく、

今僕の足を柔らかく包んでいる靴の優美な姿だった。

彼女に合わせようと思い、背伸びして買った、

クロケット&ジョーンズの革靴。

人けの少ない乾いた通路を歩きながら、

革底の感触が心地いいのにさえ、腹が立った。

 

「どんな服を着てたっていいの。でも、靴だけは上等じゃなくちゃね」

童顔の彼女は、ちょっと背伸びしすぎに思えるようなデザインの靴でも、

生まれ持ったスタイルの良さとセンスの良さで、

見事に履きこなしていたっけ。

学生の僕には、そんな彼女がとても大人の女性に見えた。

 

彼女は、家庭教師先の、一番上の娘だった。

あの日僕は、第6学年(中1)のロイのにやけた顔を見に、

ジョーンズ家訪ねたんだ。

いきなり玄関が空いて、

黒猫を抱いた若い女性と、正面からぶつかりそうになった。

 

あの時の君の驚いた顔といったら。

口をオーの字にして、まん丸に見開かれた濃いアメジスト色の瞳。

金色の髪に縁どられたばら色の頬。

どことなくあどけなさの残るその表情……。

僕は目を奪われた。

  

そのとき黒猫が、彼女の腕をすり抜けて、外に飛び出していった。

「ジェム!」彼女の透き通った声を耳に残して、

僕は芝生を走り抜けていく猫の後を追いかけた。

でも猫はあっという間に、表に停めてある高級車の間を縫って、

僕の視界から消えてしまった。

 

「おどかしてごめんなさぁい。

全くジェムったら、外遊びが好きで困っちゃうの。

夕方にはお腹すかせて帰ってくるから。気にしないでね」

そういいながら近づいてきた彼女の笑顔が、

再び僕の心臓を打ち抜いた。さっきより強烈に。

あの時は美の女神だと本気で思ったよ。

心臓の鼓動が勝手に早くなって、

体中を血液が駆け巡るのが聞こえるようだった。

何もいえないままで、女神のような顔から、

視線がはずせなくなっていた。

19年間生きてきて、こんな事は初めてだと思った。

  

「ねえ先生。うちの姉貴、美人で驚いたでしょ。姉貴も、

先生のこと満更じゃないみたいだよ」

「こら、ロイ。生意気なこと言うんじゃないぞ」

「あーっ、赤くなってらぁ」

「大人をからかうな」

「あれ、先生まだ未成年じゃなかったっけ? 

家の姉貴と同い年だもん。

でも、姉貴のほうが先生よりずっと大人だよ」

意味ありげに笑う顔が、小ズルい悪魔に見える。

にくたらしいクソガキめ。

「何たってさ、結婚したんだから」

 

そのあとの時間、僕は上の空だったと思う。

激しいほどの恋心。生まれてはじめての一目ぼれ。

その5分後には、越えられない壁にはばまれてあえなく失恋。

 

「……るの?ねぇ先生。……先生?」

小悪魔にいぶかしげな目で見られて我に返った。

「あぁ。ごめん。何だっけ?」

「あ、いま姉貴のこと、考えていたでしょ」

 ヒヒヒヒってお前、笑い声までいやらしい悪魔だな。

声に出さずに言ったつもりだった。

「なっ!なんで知ってるんだよっ!」

 

うっわあ、すっごイ中途半端!

だからごめんってばっ。 

 

 でも、一所懸命書いたのよ。応援してニャ

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五月病企画第4弾「1ページ」

連休ですね。いかがお過ごしですか?

予約投稿というのがあったので、使ってみました。

さて今回も、いやがられても、どうしてもやりたい、

投げっぱなしの五月病企画、第4弾です。

最近、始めとキャラが変わってきたような気がするのは、

きっと、気のせいですからね。

 

 1ページにはどれだけの出来事が

つめられるのかを僕は知りたい。

しかし、いくら小さく字を書き込んだって、

君との思い出は書きつくせないよ。

君を永遠にする為なら、僕はどんなことだって出来るさ。

いっそ二人の汚れた体を、神のみ前に晒して、

その審判の火に焼かれてしまいたい。サヤ……。 (信吾)

  

「おはようございます。部長」

「あぁ、おはよう。清水君」

「本日の予定ですが、10時から高野興産の山田専務との打ち合わせ、

……午後は……以上です。何かご質問は?

「いや、ない。じゃ、今日もよろしく頼んだよ」

「はいっ」

そして二人だけに通じる微笑みをかわした。

 信吾は立ち去るサヤの後姿を見つめながら、

半年前のことを思い出していた。

 

 

「清水サヤです。よろしくお願いします」

きりりと結い上げた髪と、細いブラックの縁の伊達めがね。

入社5年目の中堅だ。

「海藤信吾です。こちらこそ、よろしくお願いします。

現場以外のことは、全くの素人なんで、色々教えてください」

部長という肩書きからは想像のできない

低姿勢な挨拶に面食らったサヤは、

メガネの奥で形のよい目を更に大きく見開いたまま、

差し出された右手を握った。

大手K.A物産社長の一人息子である彼はその日、

 海外の工場を軌道に乗せる大役を終えて、

 本社に部長として赴任してきたのだった。

 

その日挨拶すべき予定部署を全てまわり終えた二人は、

ガランとした社員食堂の片隅で、缶コーヒーを飲んでいた。

「部長がどんな方なのか分からなかったから、

どんな怖い人かと思って、皆んなビクビクものだったんですよ。

それがこんなに若くてハンサム……あ、こんな言い方、失礼でしたね」

赤くなって肩をすくめたところが、信吾に小鳥を連想させた。

「いや。気にしなくていいですよ。

それじゃ私は、良い意味でみんなの期待を裏切ったってことかな。

うちの親父、あ、いや社長があの通りだし、どんな想像されても

文句は言えないからなぁ」

もうすぐ三十になろうというのに、

まるで学生みたいな顔で笑う人だなと、サヤは思った。

「皆んなってことは、清水君も、そう思ってたんだね?」

そういって屈託のない笑顔で笑った後、

テーブルに乗り出して、サヤを見る。

サヤは頬を赤らめ、あいまいな返事をするしかなかった

 

サヤはその夜、何時までも寝付けなかった。

「清水君。今日は一日ご苦労様。また明日もよろしく頼むよ」

そういって立ち去っていく後ろ姿が、いつまでも目に焼きついていた。

 

最初から、私は確かに、特別な気持ちを感じていたわ。

でもあの時はまだ、ただの憧れでしかなかった。

大会社の社長の息子というだけで、

自分とは違う世界の人間。

それなのに何時からかしら。

この身を持っていかれそうなほどの

激しい嵐に呑み込まれはじめたのは。   (サヤ)

 

業務が忙しく、赴任後一ヶ月たってやっと開いた

歓迎会の帰りだった。

終電に間に合わせようと足早に駅に向かうサヤの後ろから、

声が掛かった。

振り向くと、信吾が腕組みして大股で立っていた。

「部長……」

電車の時間があるので、といいかけて、やめた。

その姿が、なぜか正義のヒーローみたいで面白かったのだ。

「清水君。こんな時に悪いんだがちょっと、

明日の予定の事で、少し話があるんだが」

「えっ?あぁ、ハイ。なんでしょうか」

サヤがバッグから、手帳を取り出そうとしたが、その手が覚束なかった。

仕事がらみの席では、決して酔うことのないサヤであったが、

その夜は、自分でも気付かないうちに、

楽しい雰囲気にさそわれるように、酔うまで飲んでいたのだ。

「今じゃなくていいんだ」

「は?」

 微笑む信吾に見つめられて、サヤは、始めて真っ直ぐに、

その顔を見返した。

(あら、この人、こんなところにほくろがあったのね……)

 

って言うところで、やめときましょう。

なんかイイ雰囲気ですね。この二人。

                 

五月病企画「123……」数字は苦手にゃ

  連休ですニャね。

えめるはちゃんと7時半には起きました。

バトンがきっかけ。五月病企画第三弾。

自己満足な更新は今日も続きます。

 

  1234567.数えるだけ数えたら 8・9・10。

でもこれに何の意味が??? で、このことはすぐに忘れるね。

そう思って、

紙をつくえの引き出しにしまった。

 

階段を下りて、開けっ放しの玄関をしめた。

「まったくお兄ちゃんたら、いつも開けっ放しなんだからっ」

冷蔵庫からジュースを出して、

戸棚からチョコレートクッキーを3枚だけとって、

二階の自分の部屋に戻った。

おやつを食べながら、

机の引き出しが気になってしょうがない。

さっきしまったあの紙を、もう一度取り出した。

 

でも、この茶色いヘンな紙に書かれていること、本当に分けわかんない。

あたしはクッキーの粉をこぼさないように気をつけながら、

身を乗り出して、その紙をもう一度よく見た。

 

おじさんは、宝の地図だって言ってたけど。

確かに、真ん中に旗印があるけど。

その旗にはドクロのマークが書いてあるんだ。

紙いっぱいに大きなマルが、ガタガタの線で書いてあって、

その線の内側に沿って小さい黒い丸が7こ並んでいる。

その黒丸のちょうど反対側にあと3個。

いったい何のこと?

 

さっきお兄ちゃんに聞いてみたけど、

「ばっかだなぁ。オッサンにからかわれたんだよ。

そんなの、嘘に決まってんじゃン」

って言って、友達と映画見るんだって出掛けちゃった。

 

でもこのわざと下手に書いたみたいなの線の感じ。

どこかで見たような。

あたしは思い出していた。ずっと前、遠足で行った公園。

そこの広場に、これと同じようなのがあったような……。

まるく石畳があって、

端っこが自然な感じに、クネクネの線で仕切られていた。

ママが、「手の込んだことするわねえ」って言ってたっけ。

スヌーピーの水着を着たあたしは、浅い池に入って、

滑って転んで泣いたんだ。

そう、あれは噴水広場!

真ん中の旗印は噴水だわ。

きっとその中に、宝物が隠されているのよ!

そうよ、それだわ!

 

あたしは階段を駆け下りて、

幼稚園からの友達のリイナに電話した。

「あ、もしもしリイナ?」

あたしは、宝の地図と、今思いついた冒険のことを手短に話した。

手短過ぎたのか、或はリイナが現実的な子だったからか、

「よくわかんないよ、そういうの。とにかく今からそっち行くね」

といって電話が切れた。

 

リイナが来るまでの時間が、待ちきれそうもなくて、

あたしがリイナの家に行ったほうがよかったなと思っていたら、

リイナが庭に走りこんでくるのが見えた。

さすがはわが親友!

あたしは裸足のまま玄関に降りてドアを開けた。

 

あたしの考えをひと通り聞き終えたリイナは、

ハーフの母親から受け継いだ薄い茶色の瞳を輝かせていった。

「ってことは、一度その公園に行ってみないことには、

何も始まらないわね」

「でも、どうやっていくの?」

「うーん。あの遠足は、たしか幼稚園の年長のときだったから、

遠足のしおりなんて残ってないし……」

「あっ、それある! うちのママが思い出箱にしまって置くの見たもん」

「それ、すぐ出せる?」

あたしは大急ぎでまた階段を駆け下りると、

畳の部屋の押入れを探した。

 

ママは、大きな衣装ケースに、あたしの作ったものとか、絵なんかを

とっておくの。あたしが結婚して家をでるとき、

その中から思い出の品を持たせたいんだって。

でもあたし、こんな物、欲しくないんだけどな。

 

「あった、これだ……」

手にとってみた。薄っぺらでなんだか頼りないしおりだった。

 

          *

つぎの土曜日、あたしたちは、その公園の入り口に来ていた。

「とにかくこれで、謎に一歩近づいたね」

リイナが持ち前のきりりとした表情で言った。

「うん」

あたしたちは、まだ人けの少ない休日の公園へと、入っていった。

  

というところで想像が途切れたニャ。

読んでくれた人、お付き合いくださって有り難う。

じゃ、またね。

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えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

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