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「天使の花はしご」(32)

 (前のお話31へ)

 花屋の娘フィズの庭の不思議な井戸を調べようと飛び込んで、

地上と地獄の境目に来てしまった天使。

怪我をした天使に優しくしてくれるギアド老人のお話は、驚くことばかりでした。

そこでは、罪を認めないタマシイをランプに作り変える仕事が、

ギアド老人の罪の償いだったのです。苦しみ嘆く老人の姿を見てしまった天使。

でも、老人は

グリモアに見つからないように部屋に戻ると、早く元気になりたくて、

天使は命の元のハレイの泉のスープをたらふく飲みました。

 

「な、何ということをしたんじゃ……!」

 老人の顔が青ざめています。

「これ、あの……ちょっとこぼしちゃって、ごめんなさい」

「そんなことはいい! これをどれくらい飲んだか、正直に言うんじゃ!」

 老人の剣幕に押されて、天使は濡れた床にしりもちをつきました。

「お、お椀に……三杯」

「三杯!」 老人はよろよろと壁にもたれかかり、なんとも言えぬ表情でした。

「飲んじゃいけなかったの?」

 

 老人がかすれた声で言いました。

 「お前さんは……人間に……なってしまうんじゃ」

 何ということでしょう。ハレイの泉のスープだとばかり思っていたのに、

それがガラの泉で、しかも人間になってしまうなんて!

 やっぱり自分は老人にだまされていたんだと天使は思いました。

天使は呑み込んだものを吐き出そうと口を開けましたが、

吐くという経験が無かったので、全く要領を得ないのでした。

「無駄じゃ。呑み込むそばから、その体に吸収されてしまっておる」

「これ、ハレイのスープじゃなかったのっ?! さっきはそんなこと――」

「本当のことを言うと、お前さんが飲みたがらないと思ったんじゃよ。

ガラの泉のスープは体を癒す効果が高いが、量を間違えると、

溶け込んでいる人間のタマシイの影響を受けすぎるんじゃ」

 天使はにらむように顔をあげると、老人に尋ねました。

「地上に帰れる?」

 老人は首を横に振りました。

「人間の体では、ここから泳いで帰ることは到底不可能じゃ」

「そんな……わたしこれからどうなるのッ?!」

「わしにも分からん。それはグリモア様が決めることじゃよ」

 グリモアの裁きを受けることになる、そう思った天使はあまりの恐ろしさに目の前が暗くなり、

老人の腕の中に倒れこみました。

「もう、フィズに会えない……」

「こら、しっかりせいっ! きっとわしが――」

天使はそのまま気を失いました。

 

 地獄の番人グリモアは、天使を「獲物」と呼びます。その意味とは?

そして天使は本当に人間になってしまうのでしょうか。

老人は、本当に天使の味方なんでしょうか。

(次のお話32の続へ)

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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

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えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

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