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「天使の花はしご」(38)

(前のお話37へ) (目次)

 天使が行き着いたのは、うっそうとした針葉樹の森でした。

(こんなところに森……?)

 木々が光を反射しています。目的の場所にきたのでしょうか。

景色こそ天国とは比べ物になりませんが、サラサラと心地よい音が、

天国のハレイの泉を感じさせました。

 疲れきった翼をたたんで歩き出すと、下生えの草が天使の足首に絡み付いてきました。

泥沼を歩くときのように雑草から片足ずつ引っこ抜くようにしながら、

なんとかほとりまでやって来たときには、天使はもう一歩だって歩けない気分でした。

 目の前では、泉の中央から透き通った水がにこんこんと湧き出ています。

天使は不思議に思いました。

下層の泉は青白い輝きだったのに、ここではハレイの泉と同じく透明なのでした。

(ここからならばもしかしたら、天国にだって帰れるかもしれない……)

天使は重い体を引きずるようにして泉に近寄ると、水面に乗り出し、愕然としました。

そこには人間の青年の顔が映っていたのです。

 水面に映ったのは、見知らぬ人間の顔――。

少し前から急に体が重苦なったのは、単に疲労のせいではなく、

いつの間にか人間の体に変化していたからでした。

 天使はこわごわ上半身を起こすと、翼を動かすように背中に力を入れてみましたが、

何の手ごたえもありませんでした。そして自分が裸であることに気付きました。

ごつごつと盛り上がった筋肉質な体の真ん中に、奇妙な突起物を見つけたのです。

(なに、このへんな物はッ?! やだ、どうしよう、人間じゃなくて悪魔になっちゃた?!)

天使は悲鳴を上げたような気がしましたが、実際にはのどから空気が漏れる音がしただけでした。

 天使塾では人体についての講義も受けたはずなのですが、

教科書の片隅に載っていた単純なイラストと、目の前のそれが一致するはずもなく

……冷静になれというほうが無理です。実物を見るのは初めてだった天使には、

それが健全な人間の男性のシンボルであることが理解できなかったのです。

(いやだよぅ、人間になるはずだったのに、どうしてなの。

それにこんなところから角が生えてるなんて、悪魔にだって馬鹿にされるに決まってる。

もう誰にも会えない! もう二度と地上へは戻れない!)

 自分ははこのままずっとここから出られず、悪魔の獲物として永遠に働かされるのだと思うと、

恐ろしさで目の前が真っ暗になり、発作的にガラの泉に飛び込みました。

(このまま溶けて、もう一度生まれ変わりたい……!!)

でも、タマシイではないのですから、溶け込むはずがありません。

人間の身体はブクブクと沈みこみ、天使はその息苦しさと思うようにならない体に、

驚きと恐怖でもがくことしか出来ませんでした。

 

(次のお話39へ)

本音。はうっ!――――^οДο^――――ぷすぷす……

 
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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

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おへんじー

>>んぐたーん

一応ね。えめるは真面目な心のオバカネコだから、何所かに逃げ道が無いとだめなのよ。

照れることなどとっくに超越した、んぐタン。
ええ?そうなの?納得した。
人の自然な姿を、自然に表現するには、どうしたらいいんかのう?

それはきっと、センス。
んーんーんー、それ……。
磨けば光るセンスって言うけどー、
もともと持ってるもんが、ただの石灰岩だったりしたら光らないじゃない?
えめる、軽石かもよ?光るどころか削れてどんどん小さくなってそのうち崩壊するニャし。うおっ。
あ、でも雲母だったら、一応光るね。微妙に下品に……。って、それじゃだめだニャー。

はふぅ。ま、書いてみるしかありません。
読んでくれてありがとーっ!^>▽<^

照れ隠しに本音とか付け足すなんて、えめるんらしいのう。。

(◎∀◎)

おへんじー

>>チャンさーん

読んでくれてアリがとーッ。
今回は展開を頑張ってみたのニャ。って言うか、頑張ったわけじゃなくって思い浮かんだだけなんだけど……。あ?頑張ってないじゃん。

物足りないのは、泉に近寄るときの感じ。
もっと書き込んで、怪しい感じとか、体の変化を髣髴とさせるような表現とかも、書きたかったんだけどね、
ちょっと脳みそ、疲れちゃったのね。あう。
だめだねー。疲れて手抜きしてたら、物語の雰囲気が出せないもんね。
わかっていることはやらないと……。
また、ちょこっとだけ直すことにする。内容は変わらないけど。

女の子みたいな天使が男になったら、どうなるんだろうね????
そこんとこはまだファジー要素です。

そうニャ。シンボルです。えめるには別のところにシンボルがあります。
はあー。↑この一文を書くことが、ドンだけエネルギーを消耗させるか、きっと誰にもわかんないのニャ。
要は慣れだ。おしっ!
あ。言っとくけど、ネコのシンボルって、三角の耳、だからニャ。うししっ。(照れ隠ししちゃうようじゃ、まだまだ)

No title

男性のシンボル
ふうむ
男になったとは・・・意外意外な展開ですぞ
^‐ω‐^

おへんじー

>>いき♂さーん

わーい。読んでくれてアリがとっ。
あ、いき♂さんにもツノ、あるんでスニャねー。
むっふぅっ。←こういいながら結構照れているネコ

「照れるうちはダメねッ。もっと堂々と行きなさいよッ!」
あ。そういうお前こそ、顔赤くしてるじゃないか!
『ほーんと、いい年して純情オネコってのが一番恥ずかしいんだわよっ!』

って訳で、こういうざれ言も軽く言えるようにならねばと考えている次第。

No title

ほっほー!
ついに人間に。
なるほど、アレは角だったのか!^^
わーい(意味不明)
sidetitleこういうものですsidetitle

えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

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