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「天使の花はしご」(42)

(前のお話41) (モクジ君)

 天使が戸惑っていると、グリフォンがまた言いました。

『私を見て。そして触って』

 天使は美しいものに対する純粋な興味から、

流れになびくグリフォンの豊かな髪を触ってみたくなりました。

両手を伸ばし髪に表面に手をあてると、水中にもかかわらず手触りは滑らかで、

髪の一本いっぽんが風になびいているようでした。

フィズの髪もこんなふうに長かったのだと、

婚約者の墓にささげるためそれを切ってしまった彼女の悲しみを思い出し、

伸ばした手を引っ込めました。

『どうしたの? フィズのことなんか、もう忘れておしまいなさいよ』

 グリフォンが天使の両手をつかんで胸元に引き寄せると、

どこからともなく沢山の泡が拡がり、かぐわしい空気がふたりのからだを包み込みました。

空気の層に守られた空間は乾いていて暖かく、野の花の香りがしています。

これが神の御使いの魔力なのでしょうか。

天使は、それまでの不安や畏怖が薄れ、それと入れ替わるように、とても小さいけれど

固くて熱い芯を持つつぼみのような何かが自分の中に芽生えたような気がしました。

それは良くないことが起こる前ぶれにも似ていましたが、予感というにはあまりに強い確かな存在でした。

それが人間の欲望だということなど、天使に分かるはずなどありません。

ただ、その予感のようなものが、どんどん膨らんで、

いつの間にかそれを無視するのが難しくなっているのでした。

 グリフォンがフッと笑って言いました。

「あなたは一人前の、人間の男よ」

 彼女の口から発せられたその声は、天使の耳に心地よく響きました。

(グリフォン……)

 天使はくわえていた羽根がもう必要ないことに気がつくと、

彼女に握られていた手を引いて羽根を取り、彼女にくちづけをしました。

 

(次のお話43へ)

はあうぅっ! ^・д・^ とうとうっ!――いや、まだまだ?

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テーマ : 自作連載ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

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非公開コメント

おへんじー

>>チャンさーん

わほわほーいっ! たくさんの拍手、ありがとでーすッ!

天使はもともと中性的存在ですのよ。
そこんとこ書き込まないといけなかったんだけど、忘れてと言うか、気になっていた部分ではありました。
自分が気になっているってことは、読んでくださる方にとっては何倍も輪をかけてわからないってことね。
それは自分なりに認識しているんだけど、微妙な違和感、すっかり見逃していました。いかんいかん。

中性なんだけど、天使はしっかり女の子だったよね。それがはっきり男性になるわけで。
しかも二十年生きてきた天使だから、20歳の男性になるのかな。
純真無垢に二十年生きてきた? なんだろそれって?
あ、えめるみたいな可愛いハートって事よねーッ。
あ?今気が付いたけど、天使の心はこれから男性になるわけね。
男性の心理、わかんないわよーっ。
どするよ?ってまた言うよ(笑)なんとか書くさー。

えめるさま の新しい分野
頑張りとチャレンジに 10連発の拍手~
男の本性がムラムラと~!(゜O゜)!
ドキドキしますよo(^∀^;
でも天使は女性ですよね?
女が男に変身?
sidetitleこういうものですsidetitle

えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

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