スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天使の花はしご(2)

いらっしゃい。お話ききにきたのね。どうぞ^ごゆっくり。

ブレイクタイムにぜひどうぞ。自腹でご用意くださいね。

ほら、かわいい天使が、つんだお花を編み始めましたよ。

でも、天国まで届かせるには、かなり長~くないとね。大丈夫かしら?

*

「ふうっ。そろそろいいわね」

天使は、編み始めてまだ五分しか経っていないのに、

もう立ち上がりました。

「あらっ? どうしてこんなに短いの? へんねぇ」

そういってまた、しゃがみ込むと、一心不乱に編み始めます。

日差しが、早い夏のおとずれを知らせています。

その様子はまるで、丘のくさむらの真ん中で、

大きな金色の綿毛が揺れているようでした。

 

「はあっ。何だか元気の無いはなたちだけど、

長さはもう十分なはずだわ」

端っこを持って立ち上がり、ヒュンと振り上げました。

天使の頭の中では、手に持った花ぐさりがぐんと太く長く伸びて、

ずっしりとした手ごたえがあるのを予想していましたので、

いつものようにバランスを取るために、

タイミングよくからだを後ろに引きました。

ところがそれは、色とりどりの花びらを振り落としながら、

重みを増すこともなく、みじめな姿で地面に落ちていきます。

手ごたえを失った天使は、背中から倒れました。

 

でも、天使って重さがりんご一個分だから、あまり痛くないんです。

目の前にみえるのは、まっさおな空と、頭をふちどる緑だけ。

天使はわけが分からず、めをパチパチさせました。

顔の横に柔らかい葉っぱがさわって、

地面と草のにおいがします。

少しの間、天使はそのまま考えていました。

 

「あ、そうか。きっと何か、ヘンなのがまざっちゃたんだわ」

おきあがって見回し、からだの横にあった花首を拾い上げました。

「そうよ、これだわっ。こんな見た目がトゲトゲしたのは、ジャマよねっ」

そういって、シロツメクサをぽーんと投げ飛ばました。

そして緑のしみが付いたスカートをもう一度ひろげて、

花摘みを再開しました。

  

さっきより長い時間をかけて、念入りに編んだ花ぐさリ。

こんどこそりっぱなロープに変化することを信じて、

「それっ!」

ぱさん。ぱらぱら。

気合が入っていただけに、

重さがリンゴ一個ぶんしかない天使でも、

こんどは少しおしりが痛かったようです。

小さな羽根がせなかでパタパタしています。

  

「どうして? どうしてダメなの……?」

言いようの無い苦しさで、天使は息が荒くなりました。

そしてフィズのことを思うと、ちいさな胸がぎゅっと、

重たいもので押しつぶされそうになりました。

「いたたた……。んもうっ! 地上って、ヘン!」

天使は、散らばった花の残骸を、足でけ散らしました。

 

二十年生きてきて、天国にいるときには感じたことのないおかしな感情に、

驚いてしまったんですね。

 天国というところは、一切の悩みの苦しみも、ないんです。

地上で言ったら、

日常を忘れ、目を閉じて、ぬるめの温泉に浸かっているような。

あるいは愛する人の腕の中に、すっぽりくるまれているような。

そんな安心できる世界なんです。

  

天使は、フィズのいる家へ、文字通り飛んで行きました。

フィズは、町外れの小さな花屋の、看板娘です。

 「フィズーッ!」

いきなり飛んで抱きついてきた天使を受け止めると、

フィズは優しくいいました。

「あらあら。こんなによごれちゃって。お風呂に入りましょうね」

 

(まだ続くようですね)

次回のお風呂シーン読みたい? 

天使の花はしご(3)←続きはこちら

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Re: 月 黎風 さんへ

人間による汚れ……そうかも知れません。(^^
天使は人間と深く付き合う中で、人間の感情に触れて学び、
また自らも変化していく……そういう感じですね。

天使は、子どもの体で二十年生きています。
体が子どもだと、心も子どものままなのかな?
よく解からないけど、知識だけ増えた無邪気な子ども。
こっそりそういうイメージが、私の中にはあるんです。
ほとんど自分自身みたいなものです。
あ、私は20年よりずうっと沢山いきてるけどねっ(ゝ∀・)

天国の花と地上の花の違いは、人間による汚れなのかもしれませんね><
天使がすごく健気で可愛くて、このお話好きです^^
なんか暖かくなるお話ですよね^^

>天使は、散らばった花の残骸を、足でけ散らしました。
って、なんか人間に毒されてきてるのかも><

Re: 拳士 さんへ

そうよ~、最高にろまんちすとよ~。
宇宙のどこかに、機械の身体をくれる星があるって信じているのよ~。
ばれたニャっ。

こんばんわぁ。

えめるさん、こんばんわぁ♪

なるほど、えめるさんはめっちゃロマンチストでは?
まだ、「天使の花はしご②」までしか読ませて頂けてませんが
そう思うのですがねぇ(^^♪

「天使の花はしご」続きは明日またお邪魔しま~す☆

では、失礼しますねぇ~

Re: チャンさんへ

素晴らしい考察ですニャ。
それほどの身体を浮かせる為には、
翼は巨大な物が必要でスニャ。
鳥だって、大型になればなるほど、翼が大きいと思います。
ま、そういうものは全て無視してくださいニャ(^^
ものの見方という観点から、新しい発見、ありがとう。

天国は重力が違うのでは・・・??

天使はりんごの重さ でも、
【胸がぎゅっと、重たいもので押しつぶされそうになりました】
⇒ これは、こうなのではありませんか??

天国ではりんごの重さでも、地球では、普通の人間の重さ
つまり、天国と、地球では重力が違う。
天国は地面がない??為に、重力も当然小さくなる。
つまり、天国では、りんごの重さ0.5キロだったのに、地球に来て100倍の50キロになった。
それが原因で、【胸がぎゅっと、重たいもので押しつぶされそうになりました】
如何でしょう?つまらんか??失礼しました。


sidetitleこういうものですsidetitle

えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle話題分けてみたsidetitle
sidetitleつながりsidetitle
sidetitle素敵な生きものsidetitle

presented by 地球の名言
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleRSSってなに?sidetitle
sidetitleなにげにsidetitle
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。