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天使の花はしご(17)

 来てくれたのね。うれしい。

 今日は特別に、手作りアイスクリーム、どうぞ。

 お庭のミントを添えてみたけど……

 あ、うん、苦手だったらはずしてどうぞ。(^ω^)

  (前のお話16へ)

フィズがハサミで死のうとしていると勘違いして、

天使が慌てて止めにはいったんでしたね。

ただ髪を切って、愛の印として

ガルドのお墓に供えたかっただけだと分り、

天使は大きく深呼吸しました。

  

  

「ジュリ、そこで見ていてね」

笑顔を浮かべたフィズはそういうと、天使からそっと手を離し、

ハサミを持ち直しました。

天使はフィズのそばに浮かんだまま、ジャキジャキとはさみが動くのを見ています。  

二人の間には、

キラキラ輝く茶色の山が出来ていきました。

 

「それにしてもフィズ、少し短くしすぎじゃないの?」

ふさふさだった髪が、今では肩よりも短くなっています。

「ううん。これくらいでちょうどいいの。

……ほら、これからもっと暑くなるし、

それに前から一度、うんと短くしてみたかったのよ。

ああー、さっぱりした!」

「ふうん、そう……?」

  

天使はフィズの言葉が目の表情とは違うように思い、

不思議そうにフィズの顔を覗き込もうと近寄りました。

フィズはそれを裂けるように、

さっとしゃがみ込み、

床に散らばった髪の毛を、手でかき集めはじめました。

「……あっ、ね、ねえジュリ。悪いんだけど、お庭の水遣り、

頼んでもいいかしら?」

  「え? あっ、いいわよっ、もちろん!」 

花が大好きな天使は元気よく答えます。

「それと、西側の花壇のグラジオラスが、

ちょっと元気ないみたいなの。見てくれる?」

「うん、分ったわ。それもちゃんと見ておくねっ」

「じゃ、お願いね」

「うん、行ってくるわネッ」

 

天使がすうっとドアを通り抜けながら、何の気なしに後ろを振り向いたとき

フィズは床に膝ついたまま、

まださっきと同じ場所を

手でこすっていました。

  

秘密の裏庭に出た天使は、

あの、不思議な水の湧き出る井戸から何度も水を運んで

広い庭中の植物たちに

めぐみの水をかけながら飛び回りました。

井戸の淵に腰掛けて一休みしながら、

この井戸の底は天国に続いているんじゃないだろうか

というフィズの言葉を思いだしました。

 「本当なのかしら……?

でも、そんな話聞いたことが無かったわ」

暗い井戸の底に目を凝らしても、真っ暗で何も見えません。

水を汲むときの手ごたえから、

かなり深いことが分っていました。

「こうするしかないわねっ」

そう言って、いきなり天使は井戸の中に飛び込んでいきました。

  

水に入っても、息苦しくないのは、

天使というものが、神様に祝福された存在だからです。

基本的に、生きるとか死ぬといったことから

開放されているのです。

(まあ、地獄に落されることはあるとしてもね)  

でもそれは、天国にいるときのこと。

地上では少し事情が違うという事を、思い出した天使は、

慌てて背中の羽根をいっぽん引き抜き、

口にくわえました。

  

真っ暗な水の中から上を見上げると、

井戸の入り口が満月のように

小さく輝いて見えました。

  

(次のお話18へ)

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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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非公開コメント

Re: 問道火偉 さんへ

え、同じ脳みそのお仲間がいたー!!
何だか嬉しいような、お互い残念のような……(笑)
がんばりましょうニャ~。

こちらこそどうぞよろしくお願いしますなのニャ。

No title

その気持ちとても分かります。
私も後先全く考えずに書いているので、
次回をどんな話にすりゃいいのか分かりません……
まあ、その辺は人生と同じで行き当たりばったりでいきますかね。

お言葉に甘えて早速リンクしちゃいました。ありがとうございます!!&私のブログをお気に入りに加えていただいてくれて、ありがとうございます!!

Re:問道火偉 さんへ

いらっしゃい。
えっ、続きはね、こんな所で聞かれても、何処で聞かれても、
書き始めないと、自分にもまったくわからないんニャよ。
前もって筋書きとかって、考えられない脳みそなのニャねー。
だから今回も、水になんかもぐっちゃって、いったいどうつなげりゃいいの?
という気分満載の終わりなんです。

はいっ。リンクはアダルトじゃないところであれば、
ご自由にどうぞなんですよ。
こちらからもリンクさせて頂きますニャっ。

No title

どうも、問道火偉です。
私も待っていましたよ~
なんだか、ドキドキする展開になってきましたね。
続きが気になってしかたありません。
ジュリちゃんはどうなっちゃうの?
と、こんな所で聞いてしまうはしたない私でごめんニャさい。

PS
えめるさんのブログをリンクしてもよろしいですか?

Re: いき♂ さんへ

あわわ、コメントはやっ(^ω^) うれしっ。
あのトップ画面の素晴らしい機能のなせるワザですかニャ?
はい、ジュリはお花は大の得意。
水中はどうなんでしょうね。
息ができれば得意みたいなものかな。
ジュリの活躍(できるのかな?)お楽しみに。

No title

つづき、待ってたよん^^
ジュリにとって花のお世話はお手のものなのニャ。
sidetitleこういうものですsidetitle

えめる。

Author:えめる。
ネコの心のえめる。です。
同じ名前の人がいつの間にか
チラホラいるようなので
。を付けました

ねこ人間のプロトタイプ
品質最低で^・ω・^すまんね。
いちおう言っとくけど
永遠の22歳ニャからね。
ハートがっ。


ちなみに脳内は5才くらい
ほんとすまんね。

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